100%モネ。

東京展は上野の森美術館で、2023年10月20日(金曜日)から2024年1月28日(日曜日)まで。大阪展は、大阪中之島美術館で2024年2月10日(土曜日)から2024年5月6日(月曜日)まで。

特別協賛:にしたんクリニック

協賛:第一生命グループ NISSHA

《ヴェンティミーリアの眺め》1884年 油彩、カンヴァス 65.1×91.7cm グラスゴー・ライフ・ミュージアム(グラスゴー市議会委託)
© CSG CIC Glasgow Museums Collection. Presented by the Trustees of the Hamilton Bequest, 1943

国内外40館以上のクロード・モネ作品を厳選
革新的表現「連作」を生み出した過程に迫る

印象派を代表する画家のひとり、クロード・モネ(1840-1926)は、自然の光と色彩に対する並外れた感覚を持ち、柔らかい色使いとあたたかい光の表現を得意とし、自然の息遣いが感じられる作品を数多く残しました。同じ場所やテーマに注目し、異なる天候、異なる時間、異なる季節を通して一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりをカンヴァスに写し取った「連作」は、巨匠モネの画業から切り離して語ることはできません。移ろいゆく景色と、その全ての表情を描き留めようとしたモネの時と光に対する探究心が感じられる「連作」は、巨匠モネの画家としての芸術的精神を色濃く映し出していると言えるのかもしれません。
1874年に第1回印象派展が開催されてから150年の節目を迎えることを記念し、東京と大阪を会場に国内外のモネの代表作60点以上*が一堂に会す本展では、モネの代名詞として日本でも広く親しまれている〈積みわら〉〈睡蓮〉などをモティーフとした「連作」に焦点を当てながら、時間や光とのたゆまぬ対話を続けた画家の生涯を辿ります。また、サロン(官展)を離れ、印象派の旗手として活動を始めるきっかけとなった、日本初公開となる人物画の大作《昼食》を中心に、「印象派以前」の作品もご紹介し、モネの革新的な表現手法の一つである「連作」に至る過程を追います。展示作品のすべてがモネ作品となる、壮大なモネ芸術の世界をご堪能ください。

*東京展、大阪展で出品作品が一部異なります

大阪展ウェブサイト

  • みどころ - 1

    モネの連作絵画に
    焦点を当てた展覧会

    戸外制作時に見られるモティーフの一瞬の表情や風の動き、時の移り変わりに着目したモネは、同じ場所やテーマを異なる天候、異なる時間、異なる季節を通して描き、「連作」という革新的な表現手法により発表しました。本展では、モネの代名詞として日本でも広く親しまれている「連作」に焦点を当てながら、時間と光とのたゆまぬ対話を続けた画家の生涯を辿ります。

    〈ウォータールー橋〉
    《ウォータールー橋、曇り》
    1900年 油彩、カンヴァス 65.0×100.0cm ヒュー・レイン・ギャラリー
    Collection & image © Hugh Lane Gallery, Dublin
    《ウォータールー橋、ロンドン、夕暮れ》
    1904年 油彩、カンヴァス 65.7×101.6cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
    © National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.27
    《ウォータールー橋、ロンドン、日没》
    1904年 油彩、カンヴァス 65.5×92.7cm ワシントン・ナショナル・ギャラリー
    © National Gallery of Art, Washington. Collection of Mr. and Mrs. Paul Mellon, 1983.1.28
  • みどころ - 2

    100%モネ!!展示作品のすべてがモネ。
    国内外40館以上から代表作を出品

    印象派を立ち上げる以前のモネは人物画も多く手掛けていました。本展は、日本初公開となる人物画の大作《昼食》を中心にした「印象派以前」の作品から、〈積みわら〉や〈睡蓮〉などの多彩なモティーフの「連作」まで、展示作品のすべてがモネ。“100%モネ”の贅沢な展覧会です。海外30館以上を含む、国内外40館以上から集められた代表作を堪能できる、またとない機会となります。

    《睡蓮》1897-98年頃 油彩、カンヴァス 66.0×104.1cm
    ロサンゼルス・カウンティ美術館
    Los Angeles County Museum of Art, Mrs. Fred Hathaway Bixby Bequest, M.62.8.13,
    photo © Museum Associates/LACMA
  • みどころ - 3

    印象派の誕生(1874年)から
    150年を迎える節目の展覧会

    モネは、当時フランスの画家にとってほぼ唯一で最大の作品発表の機会だった、国が主催する公募展であるサロンから距離を置き、新たな発表の場として仲間たちとともに1874年4月に第1回印象派展を開催しました。本展は、「印象派」の誕生から150年目を迎えることを記念して開催される展覧会です。

    《ヴェトゥイユの教会》1880年 油彩、カンヴァス 50.5×61.0cm サウサンプトン市立美術館
    © Southampton City Art Gallery
クロード・モネ本人のポートレート写真
写真:アフロ

クロード・モネ

印象派を代表する画家。1840年11月14日、パリ9区に生まれる。家族の転居に伴い5歳頃からル・アーヴルで暮らす。18歳の頃、風景画家ブーダンの助言により戸外で風景画を描き始め、パリに出て絵を学ぶようになる。1862年には、画塾でルノワールら仲間と出会う。1865年、サロンに初入選し、尊敬するマネに「水のラファエロ」と呼ばれる。その後はサロン落選が続き、経済的に困窮する。普仏戦争を機に妻子を連れてイギリスとオランダに滞在。1874年、第1回印象派展を仲間とともに開催。国内外を旅して各地で風景画を精力的に描く。1883年よりセーヌ川流域のジヴェルニーに定住。1880年代後半から自宅付近の〈積みわら〉を「連作」として描き始め、この頃から旅先での制作も「連作」の兆しを見せる。1891年、デュラン=リュエル画廊で〈積みわら〉の連作15点を公開。この個展が評判を呼び、フランスを代表する画家として国内外で名声を築く。連作はその後〈ポプラ並木〉〈ルーアン大聖堂〉〈セーヌ川の朝〉、ロンドンやヴェネツィアの風景、〈睡蓮〉などのテーマに及ぶ。晩年の制作は〈睡蓮〉が大半となり、眼を患いながら最晩年まで描き続けた。1926年12月5日、ジヴェルニーの自宅で86歳にて死去。ライフワークだった〈睡蓮〉の大装飾画はフランス国家に遺贈される。後半生の作品はカンディンスキーや抽象表現主義の画家たちに影響を与え、モネの再評価につながった。「モネはひとつの眼にすぎない。しかし何という眼なのだろう!」というセザンヌの言葉が有名。

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